第五章:ゲームマスターの役割


 さて、ここまではTRPGというゲームそのものについて考えてきたけど、これからは遊び方や、遊ぶ上での大事なこと、GMとPLの役割が何かについて話して行きたいと思う。
 この章では、その中でもGMについて述べてみたいと思う。
 さて、GMである。ゲーム・マスター、つまりゲームの支配者。
 そう、支配者なんである。GMは神に等しい。まあ、暴虐の限りを尽くすと友人をなくすでしょうが。
 さて、GMの役割だけど、例によって野球にたとえると、敵チームの行動。審判、観客。その時の天候などの事情、味方チームでPLがついてないメンバーの行動、監督、コーチ・・・・と、役割は多種に渡る。ていうか、PLがついているメンバーの行動以外の全てを行わなくてはならない。
 それだけではない。バッターが打球を打つにしても、その打球がどこへ飛ぶか、または空振りなのか、それすらも決定(判定)しなくてはならないのだ。
 こう書くと、大変この上ないように思うかもしれない。まあ、野球をたとえに出したのがちょっと強引だったかもしれない。
 でも、役割はこれだけではないのだ。GMには大事な仕事が2つある。それは、今例に挙げたように、ゲームを遊んでいる時に多くの役割をこなさねばならない、というもの。
 そして、もう一つが、事前にシナリオを用意しなくてはならない、ということだ。
 そして、それこそが、GMが大変であり、面白い点なのである。
 TRPGというものは、世界と法則がシステムで用意されている。そして、主人公はPLが用意する。しかし、その主人公(PC)が活躍することになる舞台とシナリオはGMが用意しなくてはならないのである。
 だから、実際のゲームはGMが用意した話を行うことになる。ただし、勘違いしてはならないのが、GMが用意した話でPLを遊ばせるわけではないということだ。
 実際には、話を作るのはPLたちである。GMはPLが話を作り上げていくために、下準備を行い、雑用をこなし、演出をこらし、という仕事を行うことになる。
 ゲーム的要素を考慮に入れないならば、TRPGはまさに、アドリブで進行していく寸劇に似ている。だからこそ「演劇に近い」という感想が出るのであるが。
 GMはお話の初期設定や舞台設定、発生するイベントを作成していく。その作業がまた楽しいし、それらイベントがどのようにゲーム中に1つのシーンとして出来上がっていくかを楽しむことができる。そして、PLの行動によって、思いもよらない展開に話が進行していくのを楽しむことができるのだ。
 ゲームマスターについては、「SouRinのマスタリング手法」において詳しく述べるので、更に興味を持った人はそちらを参考にしていただきたい。
 次の章では、TRPGの実際の遊び方について話していきたい。ここまで読んで「やっぱり、イマイチTRPGってわかんない」って思った人も、次できっと「何となく分かったや」と思ってくれるに違いない、ていうか、思わせられるように頑張ろうと思う。  


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