初級編4:「フィールド」なんて簡単


 さて、「ダンジョン」と「シティ」と、それだけで十分楽しめる2つを紹介したけど、残る1つ、「フィールド」を活用すれば、さらに世界が広がる。
 「フィールド」は、主に移動する時に使用する。というか、移動時にのみ使用すると言ってもいい。旅のシナリオでは、「フィールド」は大活躍する。
 「フィールド」は、手っ取り早く説明すると“地図”である。地図っていうのは、街や山や川、それに神社や遺跡などの場所が記されているよね。縮尺を小さくして、街を拡大した地図は、「フィールド」の範疇から外れちゃうので除外するけど。
 「フィールド」というのは、色々なシナリオ上の「拠点」となる場所を結ぶ地図なんだ。また、地図って説明してるけど、実際には地図を作らなくてもいい。まあ、あったほうがみんなが実際に見れるので、分かりやすくていいけどね。
 で、実際にシナリオでどのように「フィールド」を活用するかというと、このように活用する。
 まず、PCたちがどこに向かうのかを明確にする。例をあげると「●×の街へ」「▽■山の山腹にある洞窟へ」「ここからまっすぐ南に進んだ場所にある小屋」など。地図があれば、実際に分かりやすいけど、地図がなくても、大丈夫そうだよね。
 そして、次にかかる時間を設定する。「馬で1日、徒歩で3日」「山道を強行軍で4時間」など。
 そして、道中に何が起こるかというイベントを配置することもできる。よく使われるのが“ワンダリングモンスター”という、徘徊しているモンスターに出くわして戦闘、というものだ。大体、これは時間の単位を決めて、判定を行って出現するか決めたりする。
 他にも、色々とイベントを配置することができる。天候だけで、がらりと雰囲気も変わる。山道だったら、雨が降って土砂崩れが起き、道が塞がってしまうとか。また、転がった馬車などを出して、新たなシナリオの切り口を作ることだってできる。道を間違えさせても面白いだろうし、大雨にして洋館を登場させるなどということだってできる。
 つまり、「フィールド」は移動時に使用するものだが、GMが自由にイベントを配置できる場所でもあるのだ。そして、PCは最初に「移動」という行動を選択しているため、GMが配置したイベントを避けることはできないのだ。
 また、移動には当然時間がかかる。時間制限のある仕事をPC達に請け負わせ、移動時にいかに時間をつぶさせるか、というシナリオだって作ることができる。つまり、「フィールド」だけでも十分シナリオを作成することは可能だ。
 「フィールド」は、さらりと使うこともできるし、イベントを配置してじっくり使うこともできる。そして、PCたちの目的は「移動」である。その中で様々な行動を起こそうとはするだろうが、PCたちはGMが予想できないような行動はほとんど起こさないはずだ。つまり、「フィールド」はGMの天下なのである。「フィールド」をうまく利用することが、局地的ではないシナリオを作成する上での重要な要因の一つなのだ。

 これで、シナリオを構成する3つの要素の説明は終わったことになる。次節からは、実際にシナリオを作る上での注意点というか、アドバイスを行っていきたい。


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