初級編2:「ダンジョン」って何?


 「ダンジョン」って何だろう? 「ダンジョン」を日本語に訳すと「洞窟」だけど、ここでは「洞窟」って意味だけで使っているわけではない。この手法を使うのが「洞窟」が多いから、「ダンジョン」という言葉を使っていると認識してほしい。

 「ダンジョン」という手法の大きな特徴は、「マップに全て書き記されている」ってことである。つまり、どこに何があって、何が起こるか、マップを見れば一目瞭然であるっていうことだ。
 つまり、マップに全てを記しさえすれば、洞窟や屋敷ばかりでなく、街や世界だって「ダンジョン」にすることは可能なんだ。ま、労力はすごくかかるだろうけど。
 ということは、逆に言うと、「ダンジョン」はその影響範囲を確定しなくてはならないってことだ。分かるよね?
 「ダンジョン」は、どこにどのように通路が通っていて、どこに部屋があって、そこには何がある、ということが全てマップに記されている。そのため、実際のセッション中には、新たに何かを考え出す必要はほとんどない。GMはセッションハンドリングに集中していられる。だから、「ダンジョン」は初心者向けの手法であるとも言えるんだ。
 実際、私も最初は「ダンジョン」ばっか作ってたしね。
 それに、「ダンジョン」は面白いギミックを配置してあげれば、PCたちも飽きずに楽しめること請け合い。特に戦闘が面白いシステムだといいよね。モンスターを漁って倒すだけでも十分楽しめる。

 また、「ダンジョン」にはこういう利点もある。
 GMをやるにあたっての不安な点として、「PCが自分の予想外の行動をする」っていうのがあると思う。でも、「ダンジョン」においては、その不安はかなり解消されると言ってもいい。だって、PCは「ダンジョン」の中しか移動することはできないんだから。つまり、「自分が用意した舞台の外にPCが行くことはない」わけだ。それに、PCが移動した後に起こるイベントは全て決まっている。後は、たとえPCが突飛な行動をしたって、それに冷静に対処すればいい。これは随分、初心者には楽なことだと思うよ。
 こうして言うと「ダンジョン」っていいことばっかりだけど、実際その通り。ただ、作るのに手間がかかるだけ。でも、「ダンジョン」作成には参考にできるものも多い。まあ、実際に「ダンジョン」を作る際の注意点は後述するとして、コンピューターゲームのダンジョンだって参考にできるし、実際のシナリオ集のダンジョンなんかも参考にできるよね。それに実際の建物だって参考になるよ。新宿駅の地下なんて、まさにダンジョンだし。

 しかし、まあ、実際には「ダンジョン」ばっかりってわけにもいかないよね。世界がダンジョンであるっていうなら話は別だけど、実際にダンジョン作っても、PCにそこまで行ってもらわなくてはならない。まあ、いきなり「君たちはダンジョンの入り口の前にいる」ってしてもいいけど、毎回それじゃ飽きられるし、芸がない。
 そこで、「ダンジョン」の外の空間、つまり「シティ」と「フィールド」が必要になってくるわけだ。
 という引きで、次節では「シティ」について説明しようと思う。  


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