第一章:大雑把に説明してみよう


 「TRPGってどんなの?」と訊かれた時、毎度毎度懇切丁寧に自分の考えを言えるわけじゃない。こっちにだって向こうにだって、時間的余裕というものがあるから。
 「そんなに詳しく聞きたいわけじゃないんだよ」と言われることもあるし。
 なので、大体どんなものなのか大雑把に答えるっていうのも必要になってくるわけだ。
 まず、「TRPG」という謎の4文字のアルファベットが何なのか。これは説明しなくちゃいけない。
 大体は「テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム」の略だよ、と答えることになる。それから、「机を囲んで、会話によって進めていくゲームで、役割を演じるゲームだよ」と付け足すことになる。でも、これだけじゃピンとこない人の方が多いに違いない。確かに、字面だけ見ると、何のことを言ってるのかサッパリだ。
 よって、いつもコンピュータRPG(以下CRPG)を引き合いに出して説明することにしている。
 つまり、こうだ。
 TRPGはね、FFとかドラクエとかのね、主人公パーティのうち1人ずつをプレイヤー(以下PL)が受け持ってね、戦闘の判定とか、お話進めたりとか、主人公以外の登場人物をゲーム・マスター(以下GM)が受け持って遊ぶゲームなんだ。つまり、コンピュータがやっているところを人間が受け持つRPGだね。
 それから、更に面白さを伝えようとしてこう付け足す。
 CRPGだと、マルチエンディングって言っても、エンディングまでの道筋って何本かに絞られているけど、TRPGだと、基本的にPLは好きなようにできるんだよ。それこそ、選択肢は無限にあるんだ。まあ、リセットはできないけど。
 これで、CRPGをやっている人は、大体雰囲気を掴んでくれる。
 ハッキリ言って、TRPGをやってない人にはこの説明で十分なのかもしれない。でも、私は理論をたてたがる頭でっかち人間なので、次章以降でTRPGを詳しく説明しようという暴挙にうってでるのであった。


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