ワースブレイド

 
ワースブレイドである。
国内産のTRPGの中で、このシステムはかなり上位の部類に入ると私は思っている。
サプリメントも充実していたし、こいつにはかなり金をかけましたよ、ええ。

私がワースブレイドと出会ったのは、とにもかくにも、小説からである。
朝日ソノラマから出ているその小説は、好きな小説をあげろ、と言われれば間違いなくあげられるうちの1つで、特に第一部は面白いです。
まあ、ここで私が何か言うよりも、読んでもらうのが一番。
聖刻1092シリーズ(著:千葉暁)をぜひ読んでみてください。

・・・と、これで終わりではシステム選とは言えない。
まずは、このシステムの特色を。
今では珍しくもないことだけど、その当時は多分画期的だったと思う。私はこいつが初めてだったからね。
何かって、クラス併用スキル制ってヤツなんです。
T&Tとかにもスキルはあるけど、特殊能力がスキルになっている・・・ってのがほとんどだったんだよね、当時は。(私が知らないだけって話もあるけどさ)
ワースの場合、一般的な能力もスキルなんです。
つまりは、スキルがないと判定できない(わけではないけど)んですな。
一応0レベルっていう概念があるので、スキルなくても試みることはできるんだけどね。そして、次にレベルアップなんだけど、当時は獲得した経験点がクラスによって決められてる経験点を上回るとレベルアップっていうのがほとんどだった。
ところがね、ワースでは経験点を消費して、スキルのレベルを上げて成長するんですよ。
そして、スキルに自分の経験点をつぎ込むには、スキル自身が経験を積んでいないといけないんですな。この、「スキル自身が経験を積む」ってのは、そのスキルの判定の際に「1:ファンブル」か「10:クリティカル」を出すと、ポイントをゲットできる。
これが面白かったんですよ。なんたって、サイコロ振るのが楽しい。
あ、1と10ってのでわかったと思うけど、ワースでは判定の際には10面体サイコロ使うんですよ。
で、ですね。とにかく、このシステムだと、失敗しようとなんだろうと、試みるのが楽しいんですよね。そうすると成長するんですから。まあ、2で失敗するのが一番悔しいんだけどさ。このシステムを使ってるころは、プレイヤーたちの積極度はかなり高めだったと思う。アグレッシブなだけ楽しめるんです。ファンブルすると、かなりまずいことになるんだけど、それでも「経験点入るから我慢我慢」って感じで、失敗を恐れて臆病になることはなかったな。
戦士系でも、こりずに情報系とか交渉系の行動を行っていけば、そっちの能力も伸ばすことができたわけ。まあ、1か10を出すという条件付きだけど。
後は、その世界観が秀逸だったんだよね。
世界的には日本や中国といった東洋情緒を味わえる世界もあれば、西洋ファンタジーな感じもある。
さらに、練法っていう魔法や、気を扱う術なんかもあるし、信仰も西洋的な信仰から東洋、日本的な信仰もあるって感じで、かなり間口は広い。
で。
これが最大の特色なんだけど、操兵っていう巨大ロボットに乗れるんですよ。
コイツが強い。かっこいい。
シティアドベンチャでは人間ベースで楽しみ、最終的には操兵に乗り込んで戦うってのがオーソドックスに楽しめるシナリオかな。
また、聖刻石っていう神秘の石。これが練法や操兵の力の元なんだけど、こいつを埋め込んだ仮面なんかも出てきて、ファンタジーな感じ抜群なんですな。

サプリメントやシナリオなんかもたくさん出ていたし、サポートも充実しててかなり遊びやすいんじゃなかろうか。
ただ、今はどれもこれも手に入りにくいけどね・・・

んー、今回はあまり偏ってないし、システムの説明ちゃんとしてるね・・・
思い入れはかなりあるんだけど、最後に遊んでから、もう10年近くたつものね・・・

やってみれば面白い。サイコロ振るのが楽しい。小説読んでれば、世界観も問題なく掴める。
いいことづくめなんだけど、なぜか敷居が高い。それがワースブレイドかもしれない。
だって、いわゆる中世西洋なファンタジーじゃないから、シナリオ作るのにコツがいるんだもん。

でも、一回遊んでみ? 面白いのは保証するから。


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